「トランプ、する?」

ふと、光輝が恐る恐る話しかけてきた。

「でも、見えないんじゃ…」


言ってから、はっとしたように口をつぐんだのは、夏子だった。


そうか。

太一が人以外なら見えるというのは、聞かされてないんだ。


きっと、聞かされてるのは、みずきと、晃さんと、俺だけなのだろう。


「太一、トランプ、やろうか」


太一の頭に手を乗せて、促す。


しかし、太一は動かない。