しばらくおっちゃんは黙ったままだった。 そして俺の方を見て、重そうに口を開いた。 「あいつの目、正常なんだってよ」 「え?」 「ここに来る前に、眼科に行ったんだて。医者が言うにはよぉ、目は見えてると」 それじゃあ、今まで目の見えない振りをしてたってことか? 「だけんどなぁ…」 おっちゃんが、ため息をつく。 「何?」