「おっちゃん、聞きたいんだけど」

夜、おっちゃんの部屋に誰もいないことを確認して、

思い切って聞いてみることにした。

「太一のことなんだけど」

おっちゃんは黙って聞いている。

「太一、あいつ、少し…その…」


「変わっとるか」

「うん、変わってる」


「ふぅむ」


「なんていうか、ただ人を無視するのとも違うし、大人しいのともちがう。こう…」


説明していて、ピッタリの言葉がみつからない。

「感情がないんだよ、ともかく。言われたらするけど、聞かれると無反応」