ある日、おっちゃんは、一人の少年を連れてきた。
その子は、ぼーっとして、ただ同じところを見ているようだった。
年齢は、その容姿からして、小学校の低学年だと推測できる。
「今日から、この子も、家の家族だっけ。仲良くしてやりんさい。」
不思議な子だ。
普通、このくらいの年だと、不安そうにするとか、
好奇心をむき出すとか、
何かあると思うけど。
こいつ、何にも考えてないみたいな。
無表情だ。
言われた通りに動いて、座れと言われれば、その場に座って、じっとしている。
まるで、ロボットみてえ。
こんな風に、俺に引き続き、突然、この家の一員になったのが、
ロボット少年、
岡田太一だった。