ますますぐちゃぐちゃだ。
「まぁあの頃は兄ちゃんも知ってるだろうけど、色々あってふさぎ込んでたし、ほとんど外界と距離を置いてたんだよ」
「あぁ…」
「でもさ、兄ちゃんがおっちゃんの部屋に行って、初めて僕の話してたときあったでしょ?覚えてる?」
なんで知って…
「あのとき、僕、タンスの陰に隠れてたんだよね」
「嘘だろ」
「残念ながら、本当」
「そのとき、おっちゃんが不意に黙って、隠れてる僕の方を見たんだ。」
「何を言い出すかと思えば、僕には人が見えていない、なんて」
「さすがに驚いたよ、そのときは。でも何でそんな事を思いついたかはわからなかったけど、フリくらいはしてあげようと思ってね」