香苗ごめんね、今あたしにそんな余裕はないよ…


「桃果!」


ん………?


向こうから聞こえた声に顔を上げた


え?


「…藍斗くん…?」


「こっちこいよ」


「え…っ?」


今なんと?

あたしを見つめる意地悪な瞳


いきなり、なに?


っていうか、名前…
しかも敬語じゃないし


みんなの前でそんな姿出していいの?


あたしはためらいながら王子が座るテーブルに歩いて行った