制服姿の武中くんが困ったようにあたしを見た


「荒れてるんだ」


「え?」


「その…藍斗が」


王子が、荒れてる?


荒れてるってのはどんなもの?


疑問に頭を傾げた


「それはまた、なんで?」


「原因はわかってるんだけど…」


武中くんがあたしの後ろを覗き込んだ


「藍斗、いないよね?」


「うん、出て行っちゃったから…」


「新しい部屋に住んでるよ」