「なに考えてんの、桃果ちゃん?」


じりじりとつめられる距離


「なな、なにも…」


「なにも考えてなかったら、赤くなったりなんかしないよな」


「べっ、べつに…」


考えてなくはないですが…

口が裂けてもいいません


ドンッ――…


「……っ!」


壁に当たるあたしの背中

いつの間にか追い詰められていた



「ちょ、城山くん…」


「藍斗」


「えっ?」


「そう呼んだら、解放してやってもいいけど」


意地悪な目であたしを見る