『れおーっ!! もう行くわよー。』

男の子のお母さんだろうか。

少しいらついているようだ。

『あー、分かった。』

男の子はキャリーバックに再び手をかけ、少し寂しげに笑い

『…じゃあな。』

と言うと、くるりと女の子に背を向けお母さんが待っている方向に歩き始めた。

『――っ、元気でねー!!』

女の子は男の子の背中に向かってこう叫ぶと、満面の笑みをつくった。