心の中で何回一樹のことを呼んだんだろう



「ひっく」



ピンポーン



誰よっ、こんなときに



居留守使うわけにもいかないのであたしは腫れた目のまま玄関へ行った



「...はい」



顔を見せたくないから中から扉を開けずに返事をした



『何かあったんですか?』



「え?」



『泣き声が聞こえたから』


どうやらお隣さんらしく


「だ、大丈夫です」



『んな訳ねぇだろ』


え!?


何か性格変わってない!?



でも、この声って



あたしは恐る恐る鍵を開ける



カチャ



鍵を開けた瞬間


扉をいきなり開けられ