「お待ちください！」





大声を張り上げながら
そこに立っていたのは
３０代前半の女の人だった。


女の人は
羅衣愛に近づき
急にひざまずきだした。


「初めまして羅衣愛様。私宝華学園理事長の九条秋桜子（くじょう　あさこ）と申します。この度はうちの生徒たちが悪さをしたことを深くお詫び申し上げます。ですからご許しお願いできないでしょうか？」


九条秋桜子と名乗った人は
黒髪を束ね団子にしていた。


羅衣愛は秋桜子さんを見下ろしながらずっと黙っている。


「おい！母さん！何やってるんだよ！相手は俺の１個下だぜ！？」


「静かにしなさい！このお方は聖衣学園の理事長であり表と裏の世界でトップのお方なのよ！」


「は・・・？なんだよそれ。」


「・・・いいでしょう。あなたたちのことは許してあげます。ただし条件があります。」



「条・・・件？」



「はい。私たちの学校は来週学園祭があります。それに来てくれるように生徒たちに伝えてください。」


「学園祭？私たちはそこでなにか罰を・・・？」


「いいえ。ただ楽しんでいってほしいだけです！」


羅衣愛はそう言い
ニコッと笑うと俺たちの方を向いて

「じゃ、帰ろっか！」

と言った。