これがタクとの出会いだった。



次の日にはあたしが彼女がいる人に手を出したっていう噂が回っていて、誰一人話しかけてこなかった。



「ほらあいつ」

「ちょっと可愛いからって男に媚びるなんてね」

「恥ずかしい、無理〜」




違うよ、あたしはただ淋しいだけ。

あたしはただ受け入れただけ。


あの子の彼氏だって知らなかったし

彼からあたしに言ってきただけなのに。



そんなことを思いながら廊下を歩いて教室に向かう。



ーーーガラガラガラ


教室のドアを開けるとやはり女の子からの痛い視線。


何も発さず自分の席に向かう。

隣の席は空いていた。


女の子だったら嫌だな。

そんなことを思って席に着く。




授業が始まる。先生もなんかうすうす気づいてるらしく、あたしに当ててくることはなかった。



その時、


ーーーガラガラガラ


ドアが開く。

ふとその方向を見ると、



タクだった。