この日、私とケンが再会する事が出来たのは……神様の愛情?それともいたずら?
息を切らして、ただ必死に走った先に……出口を抜けようとするケンの姿が見えた。
「ケンっ!!!」
誰もが振り返るような大声。
一瞬焦ったように周りを見渡すと、ケンは駆け寄る私をそっと抱きしめた。
良かった。
もう一度逢えて本当に良かった。
行動に出て良かった……大好きな温かい腕の中、心からそう思ってたんだ。
「ねぇ……ケン。退学だって、聞いた?」
その言葉にケンも辛そうに頷く。
私の方を見ているようで、だけど視界に入っていないようで……。
そんなケンの肩を揺すって私は正気に返そうとした。