季節はすでに冬。
あの……約束の日から気が付いたら5年もの月日が経過している。
それなのに、歩き出せない私はバカだね。
ケンは……今頃どこかで笑っているのだろうか?
大学生?それとも働いてる?
私みたいに……結婚してたりするのかな?
そんな、逢えない人に向かって未だに想いを馳せる私に、朝まで付き合ってくれた人がいた。
いつしか今日はそろそろ寝よう、とお開きになったチャットルームに残された二人。
「俺は大学生なんだけど……」
それは、一つ年下の20歳になったばかりのリュウジと言う人。
私もまた、学生で世間を知らないであろう彼に、まだまだこれからなんだから生きたら?なんて言葉を吐いたりはしない。