心の中にすとんと入ってきた癒しの時間。
悔しいけれど、アツシは私が傷つきたくないから……と避けてきたいい男の部類に入る人間だから余計にかもしれない。
あっという間に過ぎたその時間に……何かを感じてしまったのか。それとも、単純に寝ぼけていただけなのか。
「じゃあ、そろそろ仕事行く時間だから」
そう言うアツシに……無意識にかけてしまっていた言葉。
「何時ごろ帰ってくるの?」
「……え?」
二人の間に流れる沈黙。
私今なんて事を!?
付き合えないって断ろうとしていた相手に……何言った?
一人で焦り、顔を赤くし動揺する私に、アツシはすごくすごく嬉しそうに言ったんだ。
「出来るだけ早く帰ってくるから!」