「もう、そういうの嫌だから……そういう事だから!」
走り去ろうとする私の腕を、ありえない力で奪い取る。
そのまま近くの駐車場へとコウキは私を引っ張っていった。
「痛い!!離してよっ!!」
「は?てめーフザけんなよ?」
酒に酔い、ただでさえ視点が合わない状態から更に、蛇のような目で睨みつける。
-バキッ-
辺りに大きな音が鳴り響き、その瞬間!!
私は……駐車場のコンクリートに叩きつけられていた。
私の体にもアルコールは入っている。だから……なのか痛みは大して感じないのに、何故か起き上がることが出来ない。
そんな私に、コウキは更に冷たい瞳をしてにじりよる。
ヤバイ……本能が発する危険信号は間に合わず……逃げ切れなかった私の上には、馬乗りになったコウキがいた。