実際高校に入って何人か告白してくれた人はいたけど、多分あたしがすきなわけじゃない。
桜という高嶺の花の隣にいるあたしのほうが、落としやすく見えるのだろう。

つまりは妥協。


…我ながら卑屈な考え方だけど、客観的に見てそうなんだから仕方ない。


「そんなことよりさあ。」

くるくるとストローでいちごみるくを回しながら、ニヤリと桜を見つめる。


「新くんとはどうなの?」


「へっ!?」


不意打ちの質問に桜の顔がほんのり赤くなる。
なんだかんだこのやり取りを1年以上繰り返してるけど、この桜の照れた顔が可愛いくてだいすきだ。


「順調…です?」


「なんで疑問系なの」