私に星を見せて、榊原さんの訴訟問題を解決させて……。
こうしてカンちゃんとの関わりが、どんどんなくなっていくのだろうか。
頭上には、カンちゃんが作ったものと同じ、キラキラと輝く星が浮かんでいる。
それを見上げながら、気が付けばカンちゃんとの残りの繋がりを探していた私の脳裏に、空を見上げた高幡さんの言葉が蘇った。
“今日は無理か……”
“宮野君の仕業かな”
何故その言葉が、未だに鮮明に頭に残っているのかはわからない。
だけど、それはずっとそこに引っ掛かったまま、離れないんだ。
あの時、高幡さんは……玄関先で、何を見ようとしていたのか。
「……」
こんな事をしたって仕方がないのは解っている。
だって、高幡さんはイギリスにいて、日本にはあの夜以来戻っていないのに……。
それは解っていたのだけれど、どうしても今、あの場所で彼と同じように、空を見上げて答えを探してみたいと思った。
「何かをしないと、何も変わらないよね」
人もまばらな駅で、ポツリとそう呟いて。
気が付けば、彼の家のある街に向かう電車に飛び乗っていた。