『暑い。校長の話、聞いてる?』
10秒程見つめて無事、解読成功した。
視線もグッと上にあげると、楠本がニタっと笑っていた。
アタシも近くに落ちていた木の枝で返事を書く。
『聞いてないよーつか、暑い。』
アタシが文を書いている途中から気づくように楠本は文をサラサラ書いていく。
毎年、こんなことするのだろうか。
『そうだね。いつ終わるかな』
『んーもうそろそろかな』
『じゃ、頑張ろうね。』
『うん ゆうしょーしよ!』
『またあとで』
楠本がいる逆の方を見ると、先生がこちらを睨んでいた。
社会のハゲ…じゃなくて高橋先生だ。
また目線を楠本に戻すと、バッチリ目が合って「やっちゃったね」という顔で笑った。