ベンチから離れてまた校舎に入る。
カバンの中からケータイを取り出してアイツにでんわをかける。
・・・・・・最初からこーすれば良かったのか。
やっぱスイッチ入ってないとな。
『・・・・よぉ、佳乃。』
不機嫌極まりない声が聞こえる。
「よぉ、随分機嫌わりぃな。・・・・陸」
アイツもとい、生田 陸。<イクタ リク>
この学校の理事長でもあり、ウチの大切な
仲間。
『どの口が言ってんだ、アホ。栞ちゃんだっていんだ。』
「あぁ、わかってる。」
不良校ということで、栞には陸の部屋・・・・
つまり理事長室にウチが行くまで待機の約束だ。
あんな可愛いやつ1人にさせたら周りが黙ってる訳もねぇしな。