「翔太、この桜の木覚えてる?」


「覚えてるに決まってるだろ?入学式のとき由紀を見つけた日に見た桜の木なんだから」



二人隣り合わせに立ってこの木を桜を見上げるのはこれが最後なのかなって思ったら胸が苦しい。


「あのとき翔太が、見つけてくれて本当に良かったよ」


あの日迷子になった自分を褒めてあげたいぐらいに


可笑しいかもしれないけど、迷子になってよかったって思うよ。



「翔太と居れてすごく幸せだったよ。たくさんたくさん、幸せにしてもらったもん」