私がその手を握り返す事は出来ないけど、ちゃんと悠斗の手の温もりも覚えてるよ。 小さいのにしっかりしていて暖かい悠斗の手が大好きだよ。 「翔太……私の事、好き?」 「何言ってんだよ…。好きにきまってるだろ?」 「ありが、とう」 翔太はここ数年で泣き虫になった。 まるで私の泣き虫が移ったみたいに。 泣かないで翔太、大丈夫だから。