「どうした?なにか用だった?」 「ううん…ごめん。忙しかった?」 よく耳を澄ませてみると翔太のほかに誰かの声が聞こえていた。 何か作業をしているのだろうか? 「いや、大丈夫だけど…何か由紀泣いてる?」 「っ……」 昔からそうだった。 翔太は気付いてほしくないところには簡単に気付いてしまうんだ。