「それなら行けばよかったのに」 その声はドアの方から聞こえた。 「桜井先生…」 そこにいたのは私の主治医の桜井先生だった。 「今、すごく行きたそうな顔してるけど?」 「そ、そんなことありません!!」 「えーホントかな?」 からかうようにズガズガと病室に入ってくる。 そして、ベッドの横に立つと先生の顔を見せた。