――…バンっ!! ものすごい大きな音がした。 病室を覗くと悔しそうに顔を歪めている 拓也が病室の壁を殴っていた。 「拓也…」 ゆっくりと拓也の方へと歩み寄ろうとする。 「来るな」 ビクッと肩が揺れた。 いつもの拓也の声じゃないから。 明るくてのんきそうな声じゃない。 低くて暗くて…。