全く…さっきの心配を返してほしいよ。


携帯画面に表示されていたのはお母さんだった。


「もしもし、お母さん?どうしたの?」



「もしもし由紀?昨日言い忘れてたんだけど今日診察らしいの~すっかり忘れてたわ!!」


ふふっと笑いながら誤魔化そうとするお母さん。


いやいや。


そういうのは私が言われる前に言ってよ!!


「今看護士さんが来てくれたの。そういうことは早く言ってよね!」


「ごめん、ごめん。それじゃ診察頑張ってきなさい」


診察で頑張ることってどんなことだ、と心の中で突っ込むだけにしといた。