「そうじゃないけど……」


言えないってわけじゃないけど、言ってもどうしようもないって思いをもうしたくは無いのだ。


「別に無理には聞かないけどさ。それじゃ、俺病室に戻るから」


そう言って拓也は病室から出ていった。


ホッと胸をなでおろす。


危ないところだった…。


言えないことではない。


ただ、現実の事を考えるのはもう嫌だと思った。夢なんて持たないって決めたんだ。