病室に一歩踏み出して入ってきたのは想像もしていなかった人物だった。


「お、やっと起きたんだ?」


「え…どうしてあんたがここに…?」


そう、その男の子は私が桜の木の下で寝ていた時に出会った八神拓也だった。


「あんたって誰のこと言ってんの?」


ニコッと微笑んでるけど…目が笑ってません。


「あんたって呼ぶなって言ったよな?」


「はい…すみませんでした」