「如月です。失礼します。」

そう言って、職員室に入った。

なんだろ?
訳が分からないまま、手招きされた方向へ、歩み寄る。


先生がアタシを見ないようにしながら、話し始めた。


「如月、お前のお母さんが今さっき、車に衝突されて、病院に運ばれたそうだ。――そこで、そのまま……。」

「まぁ、とりあえず、お前は――」


それからの先生の言葉はアタシの耳に入ってなかった。



―――お母さんが……
病院に運ばれた…??

頭が働かない。

「な、何かの間違いじゃないんですか?命に別状はないんですよね??」


「ない。心配するな」って言ってくれるのを期待した……。


「………。」

黙ったままの先生を見ながら、アタシは絶望していた。