「…それでいいよ」

「えっ、でもっ…んぐ」
顔をばっと上げて反論しようとした奏の言葉をさえぎり、彼女の鼻をつまんだ。

「それで納得できないなら、なんか帰りに奢ってよ。今日は暇?」

「えっ…あ…うん…?」
あまり理解していないまま返事をする。

「…じゃあ、放課後どっか行こ」
頭の中がパニックの奏をよそに颯は去って行った。