「そういえば」

賀田村が飴を口に入れながら言う。

「内進の部活一緒で仲良い奴がいるんだが、会ってみないか?」

断る理由がないから俺の返答はOKだ。


行く先は二つ隣の二年五組だ。

やはり慣れないこの空間。異世界のような別世界というか。

ちなみに内進はこのクラスともう一つ三組にあるが、ここは理系クラスだ。

入り口近くにそいつは居たので教室に入らなくて済む。
賀田村が手を振り、そいつを呼ぶ。

「おーい!原田」

「何だ?カガケン」

カガケンとは加賀村健太の通称だ。

実はこいつが俺と彼女を結ぶ糸になってくれた最高の人物だ。