次の日、わざわざ俺は隣のクラスに差し掛かる時、歩みを弱めた。

廊下に平泉がいたのだ。

「おっす」

「あ、おはよ。昨日ゴメンね?メール止めちゃって」

本当に申し訳ないと思っているのかと考えてしまうほど笑っている。

無垢なのか細工なのかさえ見当が付かない。

「あぁ。いいよ。一瞬嫌われたのかと思ったけどな」

「そんなことで嫌わないよっ!大丈夫だから」

そこまで念を押されるともうこちらは彼女を疑う余地はない。

俺はそれなら良かった、と胸を撫で下ろす仕草をする。

しかし嫌う基準とは何であろうか。とても気になっていた。