さすがに男子共は呆れてしまった。

別に遠藤さんは顔立ちは良いしスタイルもなかなかなのだが、なんとなくモテない理由が分かった気がする。

そこに新たな人影が現れる。俺の影が覆われるほどの巨大な影だ。

振り向くとその姿に俺は顎が外れそうになる。

「絵美里〜。帰ろう?」

「うぉあっ!」

モアイ。動くストレートヘアのモアイだ。女性のモアイだ…。

「あ、うん。じゃ、みんなバイバイ」

花の蜜を蓄え終えたキアゲハがどこかに飛んでいくような、そんな気がした。

「僕らも帰ろうか。そろそろ日が落ちる」

「そうだね。嶋村くん、今後ともよろしくね」

そういってもらえたが、残念ながら眼鏡の男子については名前すら知らないという結果に終わる。