危うく原田達に体育館一周分を抜かされそうになるぐらいで体育の授業が終わる。

火照った体から湯気が立ち上る。

「あっついなぁ〜。雨に当たってこうぜ」

「止めとけ。湯冷めして風邪引く」

上着の襟をパタパタ扇ぐ。ちょうど良い風が体温を低下させる。

南側にある一つしかない扉に向かう。

するとまた違う風、甘く湿った高気圧が俺の前を通り過ぎる。

俺はその風の主と、隣にいた太陽のような明るさの人物に声をかけていた。