ちょっと言い過ぎたかなと後悔したが、これくらいで賀田村は怯まない。一年も一緒だと知っている。


体操が一通り終わり、北側に男子が、南側に女子が隊列を組む。

完全に列が整うと、藤川という体育教師が説明、注意事項を話す。

「えーと、それじゃ今日は雨だから体育館で三十分間走だ。男子が内側、女子が内側を走るようにな」

位置について、空砲代わりのホイッスルが響くと、弾かれたパチンコ玉のように混雑から脇に逸れる。


実際俺は部活をしていないが、体力テストは五段階で一番のA級か二番のB級を取っていたし、持久走については陸上部から一目置かれる程だ。


こういうのはゆったりと走るのが一番だ。俺にとって最高の有酸素運動なのだ。