「平泉って子、あれば金持ちで裏でファンクラブがあるぜ」

「そうか?」

「あのまるで天使のような柔らかさは一般ピーポーじゃ無理だ」

ピーポーは言わなくても分かると思うが人々のことだ。

道路を抜けると大きな十字路に差し掛かる。賀田村との別れるポイントだ。

「んじゃ、またな」

「おう」

今度は手を振らないでそのまま帰った。



家に着いてゆっくりしているとポケットの中の携帯のバイブが鳴る。

登録したことない宛名だった。

『賀田村から聞いたよ。今日は始めて出会って話せて良かったよ。』

原田だった。