「ふっ、……ふざけないでくださいっ!!!」
自由な足を思いっきり振り上げて………。
___魔王、撃沈。
暫くして、
「………魔王様。勇者さんがお暇してるよ?」
うさみみがなんとなく心配そうに魔王の体を揺する。
そんな様子を体育座りをしながら眺めていた私ですが、なんか眠たくなってしまった。
うん、寝よう………と思いたいのですが生憎ここは腐っても敵の手中に当たる場所で。
いくら、魔王が痛みに悶えていたからと言っても仮にも、世界の秩序を片手で乱せるような強者なわけで。
「魔王、覚悟しなさい」
考えた末に、首を持って帰るのは気持ち悪いし何かと不便だから。
この世に魔王しか持たないと言われている“銀”の髪を切って役所に持ってけばいけるはず。
先程、魔王に向かって投げたナイフを拾い上げてうさみみの隣まで来る。
ナイフを持つ私を見てうさみみは眉をひそめて泣きそうになる。
「………魔王様、殺しちゃうの?」
「いいえ、殺しませんよ」
頭を振って否定の意志を伝える。
そして、魔王の煌めく銀の髪に触れて
「髪をもらいたいけど、いいですか?」
一応、人から何かもらうには礼儀が必要なのだと心得ているため魔王に問う。
「………なんで?」
先程まで悶えていた魔王がくるりと私を見てよいしょ、と上半身を起こす。
何となく、至近距離に腰が引けてしまったというのは秘密だ。
「………魔王討伐の証拠です。」
「そんなもの、いるの?」
魔王は、少し呆れたような声色で笑いながら私をみた。