「こーよくん!帰ろ。」




美景は授業が終わった途端俺の方に向かってうれしそうに言った。





でも俺は無視して、さっさとカバンを持って教室を出る。




美景は諦めず「待ってよー。」と追いかけてくる。




「待ってよー。こよくーん。」




美景は俺の方へ走ってくる。




そこらへんにいるやつらがみんな俺の方へ振り替える。




大きい声だすなよ。




俺は目立ちたくないんだ。




「つーかまえたー!!」




後ろからいきなり美景に抱きつかれ、体がかたむく。




『はなせ。』




俺は美景の腕をほどいて歩きだす。




「こよくん忘れた?こよくんより私のほうが足速いんだよ。」




はぁー。




昔から美景は頭は凄いぐらいにおかしいのに運動神経だけはずば抜けてすごかった。




『わかった。だから大きい声だすな。』




「了解しました!!やったね。」




俺は諦め悪い美景の性格をわかっているから、諦めた。




美景は言いだしたことは絶対まげない。




「こよくん。私こよくんとまた下校できるなんて夢みたい。」




『......。』




俺は無言で歩き続ける。




「ねぇこよくんなんか喋ってよ。」




「おーい!!」




『......。』