NALの本質的な問題を解決して再生するようなやり方じゃなくて、

自分たち――つまり企業再生支援機構が一番儲かるような方法で再生するに決まってるだろう?」

「ああ、なるほど」

「そして、結果的にそうなった。

つまり、一般株主の株をいったん紙切れにして再上場して、その利益を自分たちで独占したというわけだ」


「……うん」


パパは大きくため息をつくと。

腕組みをといて、ゆったりと枕にもたれかかった。


「前島大臣はNALの税制優遇の見直しにも着手すると約束した。

日本の航空行政自体もしっかり見直していくと。

そこまでちゃんとできれば、皆まあ納得するだろう」

「うん」


あたしはうなずいた。