「ああ。

今回のNAL再生のために出資していたのは企業再生支援機構だ。

その、出資側の代表が、NALの管財人にもなっていたんだ。

そこが、いったん株を紙切れにした原因だということだ。


……難しいか?」


ぽかんとしているあたしを見て、パパはゆっくり言葉を選んだ。


「つまりな、投資家がそのままNALのトップになったと思えばいい。

まずな。

企業再生支援機構としては、3年でNALに出資した出資金を回収することが目的だ」

「うん」

「一方、NAL側の管財人には本来、中立公正な人物がならないといけない。

なのに、NALに利害関係のある、企業再生支援機構がそのまま管財人になったわけだ。

そうするとどうなるか。