腰までは届かないけど、背中くらいの長さだし。

適当に二つにくくってるだけだから、そんなに長いのにもったいない、ってよく言われる。


「なぁ、ヘアゴム外していい?」

「え、なんで?」

「いや、ただ見たいだけ」

見てどうするんだろ?

普段とあまり変わらないのに。

「まぁ、いいけど」

あたしが許可すると、龍は丁寧にヘアゴムを外した。

そして、目を会わせるなり龍はすぐに目を反らす。

「龍……?」

「なんでもねぇよ」

そう言って龍はあたしの髪を手で梳いた。