「うーん、まぁ、いいけど」

あたしは少し悩んで答えた。

遥斗君は喜んでいる様子でやった~、とか言ってる。

ちなみに今日のお菓子はチョコチップクッキーだ。

「じゃあ、遥斗君あーん」

「あ~ん」

パクリと美味しそうに食べた遥斗君。

そんな幸せそうな顔をしてもらえると、作ったかいがあるよ。

そう思いながら遥斗君を見ていると、横から一ノ城さん達のとは違う視線を感じた。

そっと、横を見ると龍が仏頂面であたしを見ていた。


「龍、どうしたの?」


「……俺が食べさせてって言ったとき、お前すげぇ嫌そうにしてただろうが」


龍はあたしと視線を合わさずに言った。