「あ~、あやし~い」

「何もねぇって言ってるだろっ」

龍は遥斗君を睨みつけた。

「二人とも、いい加減ケンカやめないと、お菓子作らないからね!」

ピタリと二人の動きが止まる。

これは意外と効果あるのか。

一人で納得していると、遥斗君がニコリと笑みを浮かべた。

「ねぇ、綾ちゃん」

「何?」

「お菓子ちょ~だい」

「うん、いいよ」

そういえば、遥斗君がここに来た理由ってお菓子だったよね。

あたしはカバンから遥斗君用のお菓子を出して、遥斗君に渡した。

遥斗君はそれを嬉しそうに受けとると、満面の笑みで言った。

「綾ちゃん、僕に食べさせて?」