教室内の全体を見回すと、あることに気付いた。

あたしのこと睨んでるのって……一ノ城さんと一緒にいる人だけだ……。

廊下の方から睨んでる一ノ城さんにいたっては、明らかな敵意をあたしに向けている。

そんなにあたしが気にくわないのかなぁ?

そんなことを考えているうちに、気づいたら龍と遥斗君が争っていた。

「綾菜は別にお前のモンじゃねぇだろ?」

「でも、龍のものでもないよね~」

「先に綾菜のお菓子を食べたのは俺だ」

この二人のケンカの内容があたしのことだけに、恥ずかしいやら意味が分からないやらで止めづらい。