「綾ちゃ~ん。今日のお菓子な~に?っと、龍?」

あたしに近づいてきた遥斗君は、あたし達の状態を見て目を細めた。

遥斗君の腕が伸びてきたかと思うと、遥斗君はあたしと龍を引き離した。

「もう、綾ちゃんは僕のものなんだから」

遥斗君が龍に向かって言うと、それを聞いていたまわりの女子達が騒ぎだす。

でも、それは悲鳴じゃなくて歓声?みたいな感じ。

そこであたしはふと思った。

なんで龍だと睨まれるのに、遥斗君だとそれがないんだろう?