「はい、20円のお返しです。
ありがとうございまーす」
普通に会計もして何事もなくやり過ごした田原さんは、レジを済ませるとまた厨房にと戻ってきた。
「あ ありがとうございますっ
助かりました…」
「え?一体何だったの?
別に何もなかったわよ?」
ホッと胸をなで下ろした私に、田原さんは眉をひそめて訊いてきた。
何もなかったのは、きっと私がレジに出なかったからなんだけど。
でもそんな事は、田原さんも誰もまだ言ってないから知らないのだ。
「…実はさっきのお客さん、以前から声をかけられてて対応に困ってたんですよね…」
そう。
今やって来たお客さんは、以前私にカラオケ行こうと誘ってきたおっさん系の常連さんなのだ。
あの時は苦笑いしながらお断りを入れたわけなんだけど、あれから後、また性懲りもなく声をかけられたわけだ。
確かに「またね」とは言われたわけだけどさぁ。
でも普通一度断ったら、脈ナシって思わないかなぁ。
二度ある事は三度あると見た私は、以来あのお客さんには目を光らせて、なるべくレジに出ないようにしようと思ったのだ。
ありがとうございまーす」
普通に会計もして何事もなくやり過ごした田原さんは、レジを済ませるとまた厨房にと戻ってきた。
「あ ありがとうございますっ
助かりました…」
「え?一体何だったの?
別に何もなかったわよ?」
ホッと胸をなで下ろした私に、田原さんは眉をひそめて訊いてきた。
何もなかったのは、きっと私がレジに出なかったからなんだけど。
でもそんな事は、田原さんも誰もまだ言ってないから知らないのだ。
「…実はさっきのお客さん、以前から声をかけられてて対応に困ってたんですよね…」
そう。
今やって来たお客さんは、以前私にカラオケ行こうと誘ってきたおっさん系の常連さんなのだ。
あの時は苦笑いしながらお断りを入れたわけなんだけど、あれから後、また性懲りもなく声をかけられたわけだ。
確かに「またね」とは言われたわけだけどさぁ。
でも普通一度断ったら、脈ナシって思わないかなぁ。
二度ある事は三度あると見た私は、以来あのお客さんには目を光らせて、なるべくレジに出ないようにしようと思ったのだ。