中学にあがる前…つまり、慎吾くんがまだ小学生だった頃に亡くなったという慎吾くんのお母さん。



そんなまだ11~12歳ぐらいの時からお母さんを亡くして、慎吾くんもさぞ寂しかっただろうなぁ。


いくら男の子でも…ううん、男の子だからこそお母さんに甘えたいとか、まだまだあったと思うよ。




「………………」



病院で見た時と同じ、眠っている時の無防備な慎吾くんの寝顔。


身体は大人になっていってるけど、心はまだまだ16歳だもんね。




「…慎吾くん…」



見た事なんてないからわかんないけど、慎吾くんのお母さんももしかしたら、私みたいにちょっと胸の大きい人だったのかなぁ?


だからこうやって顔を埋めては、甘えてきてるんだったりして。




「そんなにこうしてるのが心地いいって言うんなら、いっぱい甘えていいよ」



私はギュッと胸で包み込むように、慎吾くんの頭を抱きしめてあげた。



私は慎吾くんのお母さんにはなれないけど、でもお母さんに甘え足りなかったものは私で満たしてあげる。


いっぱい、触っていいからね…。







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