「…やっぱり、来てくれてたんですね」
チラリと慎吾くんが眠っているのを見ると、盆子原さんはそっと病室に入ってドアを閉めた。
「え、やっぱり…って?」
「あそこの花、朝来た時に気付いたんですが、昨日雛子さんが持ってきてくれたのかなって」
「あ…」
別に隠すつもりもなかったけど、出しゃばってると思われるのもアレなので特に言わなかったのだ。
「慎吾の心配をしてくれて、ありがとうございます」
「いえ…。
だけど盆子原さん、お仕事の方は?」
お休みの日なら当然私服を着るのが普通なのに、今の盆子原さんはちゃんとスーツを着ている。
だからそれは、この日が仕事である事を示しているものなんだと思うんだけど…?
「ええ、すぐに会社の方に戻らなきゃなりません。
ただ、朝ここに来た時に大切な書類を忘れてしまったものだから、それを取りに来たんですよ」
そう言って慎吾くんのベッド側の棚の上にあった大きな茶封筒を取ると、盆子原さんは脇に抱えた。
来てすぐ慎吾くんの事しか見なかったから、そんな所にそんなものがあるなんて気付かなかったなぁ。
チラリと慎吾くんが眠っているのを見ると、盆子原さんはそっと病室に入ってドアを閉めた。
「え、やっぱり…って?」
「あそこの花、朝来た時に気付いたんですが、昨日雛子さんが持ってきてくれたのかなって」
「あ…」
別に隠すつもりもなかったけど、出しゃばってると思われるのもアレなので特に言わなかったのだ。
「慎吾の心配をしてくれて、ありがとうございます」
「いえ…。
だけど盆子原さん、お仕事の方は?」
お休みの日なら当然私服を着るのが普通なのに、今の盆子原さんはちゃんとスーツを着ている。
だからそれは、この日が仕事である事を示しているものなんだと思うんだけど…?
「ええ、すぐに会社の方に戻らなきゃなりません。
ただ、朝ここに来た時に大切な書類を忘れてしまったものだから、それを取りに来たんですよ」
そう言って慎吾くんのベッド側の棚の上にあった大きな茶封筒を取ると、盆子原さんは脇に抱えた。
来てすぐ慎吾くんの事しか見なかったから、そんな所にそんなものがあるなんて気付かなかったなぁ。