私はパイプイスから立ち上がると、そっと音を立てないようにしてベッドの側に寄った。
「………」
それから目を閉じて眠っている慎吾くんの顔に近付くと、私も目をつむりゆっくりと…唇を重ねたの。
(…慎吾くん…!)
やっぱり、私は慎吾くんの事は忘れられない。
今までの事を全て忘れて、母親として接していかなきゃならないなんて、どうしてもできないもの。
だから…もう…
全部、諦めるの。
そっと唇を離すと、私は台の上に置いていたバッグを持った。
「さよなら。
もう、会わない方がいいね」
忘れられたという事は、失恋した事と同じ。
慎吾くんへの恋は、記憶と一緒に失ってしまったんだよ。
もう私は、慎吾くんの彼女にもお母さんにもならないから。
だから、盆子原さんとも…
「…雛子さん?」
「――――っ
…盆子原さん!」
突然病室のドアが開いたかと思ったら、そこには盆子原さんが立っていたのだ。
どうして?
仕事があるんなら、こんな時間に来るハズないんだけど…。
「………」
それから目を閉じて眠っている慎吾くんの顔に近付くと、私も目をつむりゆっくりと…唇を重ねたの。
(…慎吾くん…!)
やっぱり、私は慎吾くんの事は忘れられない。
今までの事を全て忘れて、母親として接していかなきゃならないなんて、どうしてもできないもの。
だから…もう…
全部、諦めるの。
そっと唇を離すと、私は台の上に置いていたバッグを持った。
「さよなら。
もう、会わない方がいいね」
忘れられたという事は、失恋した事と同じ。
慎吾くんへの恋は、記憶と一緒に失ってしまったんだよ。
もう私は、慎吾くんの彼女にもお母さんにもならないから。
だから、盆子原さんとも…
「…雛子さん?」
「――――っ
…盆子原さん!」
突然病室のドアが開いたかと思ったら、そこには盆子原さんが立っていたのだ。
どうして?
仕事があるんなら、こんな時間に来るハズないんだけど…。