今日は盆子原さんと私でお互いの事を知る為に、慎吾くんも交えてのランチをする予定だった。


だけどそれが運悪く、慎吾くんにこんな事故が起きてしまった。


幸いこの程度で済んだから良かったけど、でもこんな形で私たち3人は初めて顔合わせをしたわけなのだ。

…が。




「オヤジの彼女ー!?
ウッソ、まるで援交じゃん!」



「援…っ
慎吾っ!!」



盆子原さんは、私の事を慎吾くんに丁寧に紹介してくれたんだけど。

それを聞いた当の慎吾くんは、私と盆子原さんを見比べてはケラケラ笑っていた。



…何だろう。

これは慎吾くんなりの、ケジメなのかな…。


だけど、それにしては…




「彼女は歴とした大人の女性だ。
これ以上失礼な事を言ったら、いい加減怒るぞ!」



「あははっ、冗談だよっ
…てゆーかさぁ」



慎吾くんはベッドに横になったまま、今度は私の方をジッと見てきた。



「名前、なんてーの?
教えてよ」



「慎吾っ
敬語くらい使わないか!」



今までに見なかった盆子原さんの焦った様子に「まぁまぁ」と言いながら、私は慎吾くんの質問に答えた。



「えっと、私は妹尾って言います。妹尾…雛子です…っ」



そう。
ずっと私の事を「ひな」って呼んでくれたよね。


またそうやって、私の事を「ひな」って呼んでくれる…?